「風の谷のナウシカ」庵野秀明は巨神兵の呪いから逃れられない

 今夜金曜ロードSHOWでは「風の谷のナウシカ」が放送されます。風の谷のナウシカの中でも印象に残る腐った巨神兵のシーンはエヴァンゲリオンの庵野秀明監督が動画を担当したことで有名です。

2016年の第90回「キネマ旬報ベストテン」、『シン・ゴジラ』が邦画二位に選ばれた。総監督の庵野秀明は、『風の谷のナウシカ』で巨神兵のシーンの原画を担当している。庵野秀明にとって巨神兵は、トラウマだ。

庵野秀明、巨神兵を描く

今夜金曜ロードSHOW「風の谷のナウシカ」庵野秀明は巨神兵の呪いから逃れられない
『風の谷のナウシカ』は、師弟関係ともいえる宮崎駿と庵野秀明が邂逅した作品

人手不足だった『ナウシカ』制作中、トップクラフト(後にスタジオジブリに改組)にやってきた庵野秀明。
アパートを引き払って、カバンだけもって東京へ。自主制作アニメを見せてオーディションを受け、採用。
家はないのでトップクラフトの机の下や壁の隙間で寝泊まりしていた(「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」より)。

彼が担当したのは、35カット。成長する巨神兵にクロトワが話しかけるシーンと、ラストの腐った巨神兵(「ロマンアルバムエクストラ」より)。
ドロドロと動き、口からレーザーを吐く巨神兵。
描くのが本当に面倒くさい、でも映画で最も目立つパートだ。

庵野「あとで宮さんを知っている人に聞いたら、「よくやらせたな」。「動画の経験もないやつに、いきなり原画をやらせるなんてことは、宮さんはしない」と」(『パラノエヴァンゲリオン』より)
当時の庵野秀明は、ロボットやエフェクトの描写に長けていた。
一方で、人間を描くことに興味がなかったようだ。
このあたりは、彼が大学時代につくった自主制作アニメ「へたな鉄砲も数うちゃあたる!」「じょうぶなタイヤ」(島本和彦『アオイホノオ』でも紹介)で見ることができる。

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