鈴木敏夫Pが“ナウシカ”映画化の原点を回顧「『ちょっとだけやろう』というのが、すべてのきっかけ」

 「東京アニメアワードフェスティバル2021」にてジブリ鈴木敏夫プロデューサーがアニメ功労部門顕彰者に選ばれ、特別上映として「風の谷のナウシカ」の上映とオンライントークイベントが開催されました。

 「(アニメージュ初代編集長で当時鈴木の上司でもあった)尾形(英夫)って人にいきなり喫茶店に呼ばれて、『アニメージュ』を作ってほしいと言われたのがスタート。アニメーションについて全然詳しくなかったし不安だった。なんのためにやるのか?と尾形に聞いたところ自分の息子がアニメファンなんだと。息子のために作ってくれと。僕としては相当驚いた。公私混同でしょ(笑)。一つの雑誌が一人の個人的なそういう事情で生みだすことができるというのは、もしかしたらやってみたらおもしろいのかもしれないと考えた」

 プロデューサーとして一人立ちしてやっていこうと決めたタイミングを聞かれると、「それはジブリを作る時。『風の谷のナウシカ』は実を言うと違う会社で作っていたんだけど、次に『天空の城ラピュタ』を作らないとという時に、その会社が機能を果たせなくなった。その時に集まっていたメンバーが、高畑さんと宮崎さんと僕。それで宮崎さんが高畑さんに向かって、高畑さんは作る人だからプロデューサーは鈴木さんだよねと。ずるいこと言いやがってと思って(笑)。でもそれがきっかけだったことは確か」

3月12日から3月15日(月)の間、池袋で開催中の国際アニメーション映画祭「TAAF2021」。今年はアニメ功労部門顕彰者に鈴木プロデューサーをはじめ、原作者のさくらももこ、脚本家の小山高生、富野由悠季監督、アニメーターの才田俊次、編集の瀬山武司、歌手の伊集加代、声優の羽佐間道夫が選ばれており、本イベントは鈴木プロデューサーの本賞を記念した特別上映として開催された。

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